ご両親へ、ご挨拶#4 (コルトガバメント)
夕食を食べ終え、ソファーに座り、バスケットボールの試合(NBA)中継のテレビを観戦し出すお父様。このタイミングで私はお声を掛けさせて頂いた。「Excuse...」
セブ空港より持ち込んだ、日本酒「久保田」を持ち、「Its Japanese rice wine. Let's drink together. It's my pasalubong.」( Pasalubong : お土産)とビサヤと英語を駆使し、何とかご機嫌をとろうと、頑張っていた。
ゆっくりと私と「奥さん」に近寄ってくる、お父様。逐一、お辞儀は忘れません、ジャパネーススタイル。緊張もマックスに達し、笑顔か泣き顔か分からない、泣笑顔で赤べこハゲのお辞儀攻撃。
「奥さん」のお母さんが笑顔でコップを持ってきてくれて、晴れて乾杯。お父様の第一声は「I'm surprising」悲しそうな顔で私に語った。いきなり、妊娠、、と聞かされれば確かに驚くだろう、私は何も言えずにコップの日本酒を飲み干した。「奥さん」は22歳、私は39歳、お父様の方が歳が近い、エロい中年男性が、のこのこ、と家に来ては、ハゲお辞儀攻撃ではやるせないのは当然だろう。
「君は真剣なのか?」「Sure」と返答した後、お父様はおもむろに立ち上がり、奥の部屋に入ったかと思うと、”コルトガバメント”持ってゆっくりと戻って来た。
私も、これでも昔は武闘派で鳴らした口だ。少し、酒も入っている私は強気に。「I saw first time. Its looks like heavy.」私は、本物を見たのは初めてだったので、正直に「重そうだね。」と感想を述べた。これは、ジャブである。「私はびびっていないぜ。お父様」という私の肝の座り方、示して差し上げた。
横見ると、「奥さん」はお母様と一緒に、その場を離れていった。何とも、頼りない。ミンダナオでハイウェイ沿いに立って、私を待っていた時は、何と神々しいと思ったが、今、撤回する。お母様と「奥さん」は、(それでは男同士で・・)。みたいな顔して、その場を離れていった。
テーブルにはコルトガバメント、ほぼ無言の中年2人が日本酒を飲む。これから、始まる2時間の酒盛りは、私の人生の歴史に残る、壮絶な時間の始まりだった。。。
お父様が「カポっ」とコップを開け、私が続き、そして注ぐ。。。