フィリピン ハゲ ちゃびん日記

フィリピーナと結婚し、1女を設けてしまい。フィリピンに滞在すること事を決意。既に、数年を経過。。。フィリピンから見た日本そして、日本人から見たフィリピン。何が正しく、何が間違いなのか、混沌する世界をさておき、ひたすらに、文化の違いに悪戦苦闘する日々を綴る

フィリピンの内戦状況についての現地よりご報告

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フィリピンの治安について、ご心配されている方もいらっしゃると思い、書きます。まず、ミンダナオの戒厳令についてでございますが、私直接現地に行って確認しておりますので、ニュースよりもある程度細かな詳細が伝えられるかと思います。

 

1、ミンダナオの戒厳令について(概況)

まず、基本情報を知らないと、勘違いする可能性がございますので、ミンダナオの基本情報よりご説明申し上げます。カトリック教徒が多いフィリピンの中で、ミンダナオエリアについてはムスリムも多く住むエリアになり、フィリピンのムスリムの多くがミンダナオの西部に住んでおります、これはイスラム国であるマレーシアに近いのが一因でございますが、歴史的に実はフィリピンはスペイン占領前までは、イスラム系諸国が多く統治してきた歴史があるのです、厳密に言えばスペインがカトリックを持ち込み、今では80%以上が敬虔なカトリック教徒の国に結果的になった経緯がございます。

その為、ミンダナオ西部の一部エリアではムスリムが自治を行っているところもあり、自治エリアでなくても、ラナオ市の市長はムスリムであったりと、カトリック教徒とムスリム教徒が共存している場所も数多くあります。今回、私はラナオ市に訪問いたしましたが、今回戒厳令になった原因のマラウェイ市の隣市になります。

フィリピンではモロイスラム戦線というイスラム組織が独立運動を歴史的に長くやっていた経緯がございますが、今回の原因のマウテグループ(アブサヤグループの一派、ISIS支持を標榜)とは全く別の組織で、歴史的に続いてきた(現在、自治を認められ政府と休戦中)、フィリピン国内のイスラム独立運動のながれとは全く関係なく、現在フィリピン政府とモロイスラム戦線はむしろ、共同歩調をとっております。(ここが複雑です。)

つまり、今回については多くのムスリムも非難しており、必ずしも宗教対立ではないこと。また、外国人の傭兵部隊も確認されているとのニュースがフィリピンでは流れています。つまり、確かにミンダナオでは歴史的にイスラム独立運動が続いてきた経緯がありますが、今回についてはその流れにあるものではない事を抑えて頂きたいです。

 

2、ミンダナオの戒厳令について(実態)

今回マラウェイ市より、イリガン市迄のエリアにフィリピン軍が囲い込み、マラウェイ市内で彼らがテロ活動を行っている状況になっております。現在、フィリピン軍の囲い込みが、成立しており、隣町ラナオ市においては主要道路のチェックポイントは数多くありましたが、平穏な状況でした。それでも、人達の話題は勿論、このマウテグループの動向が一番大きなトピックです。
実は、私の奥様はこのラナオ市出身でこちらに実家があり、私の娘も現在奥さんとラナオ市に滞在しており、その為、今回心配で訪問しました。(私は出稼ぎですね。。。)また、奥さんの父親ムスリムエリア出身で、ムスリム系の民族:マラナオ族のエリアで育っております。(現在はカトリックですが、親族にはムスリムも多いのです。また、マラナオ族は言葉も違いますが、奥さんもお父さんも、マラナオ語(アラビックに近い)が話せます。

つまり、戒厳令はミンダナオ全土へ2ヶ月間施行されておりますが、実態としてはイリガン市〜マラウェイ市のエリアに軍が包囲し、現在殲滅を狙っているという状況です。

 

3、ミンダナオの戒厳令について

まずは、必要以上に恐れない事が大切だと考えます。勿論、用心に越した事はないですが、国内内戦というニュースが流れておりますが、これは以前あったような、イスラム独立運動の一貫ではなく、内戦というレベルではない事。「内戦」という言葉に、以前よりある「イスラム系組織」と「フィリピン政府」という大きな対立ではなく、多くのムスリムも非難している事を抑えて頂きたいのです、少し日本のニュースの報道には違和感を覚えます。

マラウェイ市はムスリム自治区に近く、ムスリムエリア近くにISISの旗を立てて、一般ムスリム市民を殺害し、ムスリム独立を叫び、外国人傭兵が入り込むテロリストに対して非常に違和感を感じます。

 

4、私見

今回の事件は、ドテルテ大統領のロシア訪問時におこりました。ロシア訪問時に、彼がコミットした事は、今後武器援助をアメリカからではなく、ロシアから協力支援を仰ぎたいという事です。その後、この事件が発生しております。

人の命を何とも思わない、このテロリズムムスリムカトリックもご近所さんとして暮らしてきた、この界隈での出来事。この攻撃を支持するムスリムもいない、この事件においてムスリムが何の利益も得られない、これについても、非常な違和感を感じます。私が何かできる事は少ないかもしれませんが、是非、皆さんにお知らせしたいのは、果たして、彼らはの目的はムスリム国家の樹立なのでしょうか?フィリピンに問題を生じさせるのみ、実際の何の罪もない、ムスリム市民が一番の被害者である事以外何の結果が生み出せるのでしょうか?

しっかり我々が思考し、間違えの無い、論理的な判断をし、色々な人を誤った判断で隔絶していくのを食い止めたい、それが思いです。