フィリピン ハゲ ちゃびん日記

フィリピーナと結婚し、1女を設けてしまい。フィリピンに滞在すること事を決意。既に、数年を経過。。。フィリピンから見た日本そして、日本人から見たフィリピン。何が正しく、何が間違いなのか、混沌する世界をさておき、ひたすらに、文化の違いに悪戦苦闘する日々を綴る

フィリピンから日本を考える

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ふとした瞬間にいつも、考える事は、日本の将来です。
フィリピンに住んで、家族もフィリピンに住んでいても、やはり日本が気がかりになるのです。不思議な事ですが、本当です。やはり、アイデンティティーとは損得や利害を超えたところにある自分の帰属意識の根本だな、と日々感じてしまいます。

日本は世界でも類をみない程の低成長率で、中国には既に抜かれ、すぐにインドに追い越されると言われています。一人当たりの生産性は先進国でも低い部類です。

 

なぜ、なのでしょう。
実は、アジアに出てみると、これに対する答えはすぐに見つかります。日本の中にいると中々、わかりづらいと思いますが、非常に単純な構造です。

1、アジアや中国製品、性能の軽視。
今や、携帯、パソコン等の日本が得意とした電化製品分野は中国製品に取って代わられ、韓国のSomsongが唯一頑張っているという状況でしょうか。もう、安くて、日本製品と同性能商品が溢れかえっています。特に、中国製品の性能は昨今、全く日本製と遜色ないレベル(素人目に見て)まで上がり、されに安い為、もう現在では、日本製との差別化は難しくなっています。これは、将来的には車でもそうでしょう。韓国車、Hundai, Kiaという韓国メーカーのみならず、TATAというインドメーカーも台頭しつつあります。

2、発展途上国との貨幣レートの差は、もう使えない。
以前は、日本の工場が発展途上アジア諸国にあり、日本企業の本部が日本にあり、技術管理をしていたのが、もうアジア諸国が独自に製品を開発、生産できる状況になってしまいつつある事です。特に、中国は物凄いスピードで追いつき、追い越し、既に全て揃っています。他アジア諸国でも時間的な差はあれど、大きな流れは変化しないでしょう。以前、中国経済をバカにしていた方々は、反中という感情論で経済を大きく読み違えた事でしょう、また、だからこそ今の日本があるのかもしれません。

 

3、労働分配率は上がらない。
中国や他アジア製品と戦い続けている以上、労働分配率も、生産性も上がりません。彼らはもっと安い人件費でより効率的(開発費等も最初は模倣でしょう。)に多くの同等品を生産するわけですから、ジェネリック薬品と開発費用混みの新規商品を戦わせても、金額的に勝ち目はないでしょう。日本企業は対策として、最もやりやすい人件費を削り取る事以外に、何もやってこなかった、と言い切っても良いでしょう。これは、明らかに企業経営の新規商品の創造、新規マーケットの創造という、先進国がやるべきトップランナーとしての経営を行って来なかったという事が言えます。(勿論、全ての企業はそうでないにしろ、大概は既存の効率化のみで、新たな付加価値の創造をしなかった結果、長期的視野に立った経営がなかった結果)そして結果として、労働者への賃金を圧迫し、日本市場迄も大きな打撃を受けているのです。悪循環です。


まとめると:
結局はグローバリゼーションの波は否応無く、刻一刻と世界を覆い、昨今の、労働者移民を受け入れる、受け入れないという議論は全く遅く、既に低賃金での労働者というアジア諸国の民が単純労働者というのみならず、自立生産もできるようになり、彼らの製品という形で、今、日本の競合として眼前にあるという事実です。


では、どうすれば良いのか?:
上記を書いていくと、もうそれは亡国の流れは抗えないような、そんな憂鬱な気分になるかもしれません。しかし、私は、そうは思いませんし、思いたくないのです、きっとこれがアイデンティティーを根源とする、思いです。

 私の考えは、日本の政府が取り組んでいるような、観光産業のインバウンドでもなければ、軍需産業原発産業の大型輸出産業でもありません。我々は、まだまだ発展途上国には無い、たくさんの、細かな「ノウハウ」を持っているのです、個人でも企業でもです。それを海外へ輸出するのです、ハードではなくソフトを、例えば「スタッフ管理マネージメント」「生産工程マネージメント」まだまだ、日本は細かな部分では世界一なのです。我々は、なぜ「モノづくり日本」として世界を席巻できたか、それは個々の高い職業人としてのスキルです、そして、新人から達人まで育て上げる企業内教育や、その管理システムの質の高さ、です。それは”日本人だから”と奢らず、それを伝える事(時には各国の慣習にカスタマイズし)で、アジア諸国に貢献し、それが製品価値に付加できるはずです。それは営業職一つとってもなのです、名刺の渡し方、書類送る際の印刷しやすいように送る、請求書の見た目や、顧客案内文の見た目、とても単純で日本人はそんな事と思うかもしれませんが、私の日々の仕事はそんな事をいちいち目配せしてあげる事です。日本人が気付かなくてはいけない事は、日本製品の性能向上ではありません(すぐに模倣し追いつきます。)。それは、製品が届くまで、どのような管理で工程で顧客に届いたのか、そのプロセスを日本化する事でブランド価値を創造できる、そんな可能性を秘めた、素晴らしい緻密さなのです。

日本人はもっと、外に、アジアに出ていくべきです。それは、対等な立場でパートナーシップとして彼らの産業発展に寄与し、そして将来、必ずや日本に寄与するはずです。